社会保険労務士事務所

社会保険労務士は、担当者の経験やノウハウがアウトプットの質を左右しやすく、属人化が起こりやすい職種です。一方で、法令に基づく手続きや顧客ごとのルールをきちんと共有できるシステムがあれば、属人化を防ぎ、業務を標準化することは十分可能です。特に、人手不足によって教育に十分な時間を割けず、業務のブラックボックス化やサービス品質のばらつきが課題となりやすい中小規模の社会保険労務士事務所では、早期の業務標準化が組織の成長につながります。

ここでは、マルチタスク管理システム「best job」を活用して業務標準化を実現し、教育や引き継ぎ、組織運営の課題を解消した社会保険労務士事務所の事例をご紹介します。

<導入背景>

  • 納品物のクオリティのばらつきやミスによる謝罪や委託料ダウン、契約解消が増加
  • ミスをしてはいけないという強い圧迫感による従業員のモチベーション低下で、離職率が上昇

<導入効果>

  • ヒューマンエラーが激減
  • 1年間を通して、退職者は家庭の事情による1名のみに
  • 仕事の効率が上がり、残業時間が減少
  • 直接的な指導の機会が減り、管理者と現場の精神的負担が軽減

導入前の問題点:組織の過渡期で、管理が限界に

今回ご紹介するのは、有資格者を含めて約10名の従業員が所属する社会保険労務士事務所です。トラブルが起きてからの対処ではなく、日頃の労務チェックを通じて「問題が起きにくい職場環境」を経営者とともに作る姿勢と、丁寧なヒアリングと迅速な書類作成の両立で、着実にクライアントの信頼を得てきました。

しかし、従業員が数名だった時代から10名規模の組織へと成長する中で、経営者である所長がすべての業務を把握することが次第に困難になり、業務の属人化やマネジメント不足、ヒューマンエラーによるほころびが目立つようになります
特に、納品物のケアレスミスの多さとクオリティのばらつきは、事務所としての信頼性を揺るがす大きな問題でした。
これらの原因は主に下記の2つにあります。

<納品物のケアレスミスとクオリティのばらつきの原因>

  • 急激な成長に人員の増強と教育が追いつかず、従業員1人にかかる負担が大きくなった
  • 従業員一人ひとりの能力の高さに依存した結果、仕組み化や連携強化が後回しになった
  • 社会保険労務士の専門知識と、事務処理スキルは別物だった

若手を採用して教育もしてきましたが、管理職もプレイヤーであるために十分な時間がとれていない状況が続いた上、「これ以上ミスを出さないようにしなければ」という焦りから部下への指導が厳しくなり、モチベーションダウンによる退職が増加する悪循環に陥りました
その結果、常に募集・採用・教育・早期退職の繰り返しになり、現場に疲弊感が漂う状態になりました。

こうした状況を打開するため、人間の力に頼らず「仕組み」で状況を改善する方針を決定し、デジタルシステム導入の検討を開始したのです。

導入の決め手:手間の少なさと付加価値の高さで「best job」導入を決定!

業務クオリティの安定化と従業員との信頼関係向上に向け、デジタルシステムの検討を開始した同所ですが、選定は難航します。
はじめに検討したタスク・プロジェクト管理ツールは、手動で細かく業務を設定する必要があるため、システム運用に追われて本来の業務が圧迫される懸念から導入に踏み切れませんでした。
また、業務改善や営業活動、顧客情報の管理を目的としたツールは、同所の目的と微妙にずれがありました。

こうした悩みを同業者に打ち明けたところ、「標準化」に取り組むことを勧められ、最適なツールとして紹介されたのが「best job」だったのです。導入の決め手になったのは、自動で業務を可視化できること、業務管理と同時に「ナレッジ(知見)」「ルール」「マニュアル」などを一緒に蓄積・共有できることでした

■「best job」のイメージ例

best jobの概要イメージ

特に重宝したのが、あらゆる業務を「プロジェクト」「タスク」「ToDo」の3階層に分解・整理(三分析整理法:特許取得済み)し、「仕事のレシピ」としてライブラリーに登録する「Dルール(デジタルルール)」(特許取得済み)です。タスクごとに担当者や締切日が設定でき、自動で割り振れるため、「誰が・何を・どの手順で行うか」が可視化され、簡単に業務標準化を実現できます

■Dルールの「プロジェクト」「タスク」「ToDo」の三分析整理法イメージ

「プロジェクト」「タスク」「ToDo」の三分析整理法イメージ

また、Dルールは顧客ごとにマニュアルや業務手順書、法律、企業ごとの独自ルールなどを登録できます。これらの情報を「best job」内に一元管理できるため、多様なルールを扱う社労士業務との相性が高いといえます。万が一、引き継ぎに抜け漏れがあった場合でも、Dルールに沿って業務を行えば、ヒューマンエラーにつながりにくくなる体制を整えることが可能です。

なお、Dルールは、これまで経験や勘に頼っていた業務上のノウハウも可視化・蓄積できるため、将来的に標準化する業務を広げられる点も導入の決め手となりました。

導入後の変化:対面の教育が減り、心理的安全性のある組織に

「best job」導入後、同所では教育や業務の引き継ぎだけでなく、マネジメントや組織運営にもさまざまな変化が生まれました。まずは、導入によって得られた主な成果をご紹介します。

■「best job」導入後の主な成果

成果 詳細
平等なナレッジの共有 これまで各教育担当者が実施していたOJTの内容を「仕事のレシピ」として体系化。教育担当者の経験値や知識量に依存していたノウハウやコツも、漏れなく全員に伝授できるようになった
新人教育の円滑化と即戦力化 Dルールで手順ややること、注意点がスムーズに理解できるので、経験が浅い新人でも標準的な業務をすぐに実行できるようになった
マネジメントの効率化 管理職は管理画面でプロジェクトの進捗や日報から業務状況を把握できるため、必要以上に進捗確認を行う場面も減少。必要なタイミングのみ介入する効率的なサポートが可能になった
職場環境の改善 情報の伝達が効率的になり、余計な接触が減ったため人間関係の悪化を予防できる

Dルールを活用したことで、対面での教育や追加質問が減り、教育担当者や管理職に時間的な余裕が生まれました。
また、「best job」の機能の1つである「いつでもエピソード」も重宝されています。同所では現在ハラスメント事案は発生していませんが、上司や同僚との出来事をいつでも記録・共有できる機能があることで、将来的なハラスメントの抑止効果が期待されています。

このように「best job」導入による成果は、組織全体にも下記のようなさまざまな変化をもたらしました。

■「best job」導入後に見られた組織の変化

組織の変化 詳細
精神的な摩擦の減少による心理的安全性の向上 指導する側と指導される側が互いの顔色を窺ったり、萎縮したりする「人間関係によるロス」がなくなり、精神的な摩擦が減って職場の心理的安全性が向上するという副次的効果があった
ミスの減少と残業時間の削減 具体的な仕事の予定と進め方が明確になって無駄な業務が減り、残業時間の削減にもつながった
職員の定着率向上 以前は年に2~3名が退職する状態で、従業員への業務偏重が改善されず組織が疲弊していたが、導入後の1年間では家庭の事情による退職1名のみとなった
担当者変更に伴う業務のブラックボックス化の解消 引き継ぎ案件であってもすぐに1人で業務を進められるようになり、現場からも「best jobがあれば過去の情報まですべて把握できるので、気分的・時間的にとても楽になった」という声があがっている

同所では、「仕事の分析」という考え方を定着させるため、Dルール専門の担当者を配置し、業務実態との比較、改善点の抽出と実行につなげるための勉強会を月に1度行っているとのことです。

まとめ

社労士業務におけるルーティンワークは、標準化やミス防止、進捗の見える化を実現する「best job」との親和性が高い業務です。

<標準化しやすい社労士の業務例>

  • 年末調整
  • 勤怠データ整理
  • 資格取得届
  • 月額変更届
  • 算定基礎届
  • 年度更新
  • 就業規則の作成支援
  • 入退社手続き

社労士業務の属人化やマネジメントの負担にお悩みの場合は、ぜひ「best job」の導入をご検討ください。

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