OJTマニュアルの作り方!新人教育に必要な基本項目や作成手順を解説

OJT(On-the-Job Training)は、実際の業務を通じてスキルや知識を習得する教育手法で、多くの企業で採用されています。しかし、指導者によって教え方や内容にばらつきが生じ、新人が混乱するケースも少なくありません。こうした課題を解消し、教育の質を標準化するために役立つのが「OJTマニュアル」です。
この記事では、OJTマニュアルに記載する基本項目や作成手順のほか、メリットなどを詳しく解説します。

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OJTマニュアルとは業務内容やルールを理解し、教育の質を均一化するための資料

OJTマニュアルとは、新入社員の教育を円滑かつ効果的に進めるために、業務の目的や全体像、職場のルール、指導の進め方などを体系的にまとめた資料です。マニュアルには「新人向け」と「指導者向け」の2種類があり、それぞれの立場に必要な情報を提供します。

新人用マニュアルの主な要素

新人用のOJTマニュアルは、OJTの場面で必要な情報を確認しながら実践できるようにするための資料です。新人はマニュアルを参照しながら指導を受けることで、業務内容を具体的に把握できます。
さらに、業務中に不明点が出た際や指導後の復習時にも役立つため、知識の定着や復習にも役立ちます。

■新人用OJTマニュアルの主な要素

要素 内容
OJTの目的やゴール 業務を学ぶ目的や最終的に目指す状態など
業務の手順や注意点 作業の具体的な進め方、ミスしやすいポイント、安全面での注意事項など
必要な知識 関連する専門用語や、使用するツールの操作方法など

指導者用マニュアルの主な要素

指導者用のOJTマニュアルは、指導の基準や進め方を明文化し、教育の質を均一に保つ役割があります。「何を」「どのように教えるか」が明確になっていれば、誰が担当しても同じレベルの指導ができるでしょう。
また、指導に必要な時間や期間の目安を記載すると、スケジュール管理や習熟度の把握もしやすくなります。

■指導者用OJTマニュアルの主な要素

要素 内容
会社が指導者に求めること 指導者としての心構えや、新入社員との関わり方など
OJTの進め方や指導方法 教育のスケジュールや効果的なフィードバックの方法など
OJTの目標や合格ラインの目安 各業務の習熟度を測るための評価基準など
コミュニケーションのポイント 新人のモチベーションを高める声掛けや、質問しやすい雰囲気や仕組みづくりの工夫など

マニュアル化について、詳しくはこちらをご確認ください。
マニュアル化とは?業務効率化のポイントやメリット、成功事例を解説

OJTマニュアルを作るメリット

OJTマニュアルを作成することは、新人や指導者だけでなく、組織全体に下記のようなメリットがあります。

<OJTマニュアルを作るメリット>

  • 新人が業務の全体像を把握しやすくなり、不安を軽減できる
  • 指導の属人化を防ぎ、組織全体の指導力を底上げできる
  • 教育内容の抜け漏れやミスを削減できる
  • 組織のノウハウを蓄積・共有でき、企業成長の土台を築ける

OJTマニュアルを活用すれば、新人は安心して業務に臨めるようになり、指導者も迷いなく教育に取り組めます。このような仕組みが整えば、継続的に成長できる組織づくりができるでしょう。

OJTマニュアルの効果的な作り方と手順

わかりやすく実用的なOJTマニュアルを作成するには、事前の計画が欠かせません。ここでは、マニュアル作成を成功させるための5つのステップを紹介します。

<OJTマニュアルの効果的な作り方と手順>

  1. マニュアル作成の目的の明確化
  2. スケジュールの作成
  3. 現場での情報収集と業務内容の洗い出し
  4. 伝えたい情報の整理と構成案の作成
  5. マニュアルの作成と現場担当者のフィードバック

1 マニュアル作成の目的の明確化

OJTマニュアルを作るには、まず作成の目的を明確にします。例えば、「新人が1週間でレジ操作を習得できるようにする」など、ゴールが具体的であるほど、必要な内容や構成がはっきりします。

2 スケジュールの作成

マニュアル作成の目的が決まったら、マニュアル完成までのスケジュールを考えましょう。「誰が」「いつまでに」「何をするか」を明確にするとマニュアル作成がスムーズに進みます。
複数人でマニュアルを作成する場合は、レビューや修正の期間もあらかじめ確保するのがポイントです。
また、この時点で表記ルールやフォーマットを統一すると、マニュアルの品質を保てます。

3 現場での情報収集と業務内容の洗い出し

作成スケジュールが決まったら、現場の担当者や指導経験者へのヒアリングを行い、実際の業務の流れや注意点を把握します。このとき、「新入社員がつまずきやすいポイント」「OJT時に伝えきれないこと」など、マニュアルが補完すべきナレッジも忘れずに収集しましょう。

ナレッジの蓄積について、詳しくはこちらをご確認ください。
社内ナレッジを蓄積するには?知識・技術をためて共有する方法

4 構成案の作成

現場から収集した情報は、業務の「目的」「手順」「合格基準」「注意点・ポイント」などのカテゴリーに分類して整理します。その上で、新人が理解しやすい順序でOJTマニュアルの構成案を作成します。
章立てや見出しの工夫、論理的な流れのある構成にするのがポイントです。

また、視覚的に伝わる図やイラスト、動画を盛り込む場合はこの段階で準備を始めます。ただし、情報量が多すぎると混乱を招くため、必要な情報に絞ることも重要です。

5 マニュアルの作成と現場担当者のフィードバック

構成案ができたら、マニュアルの執筆を始めます。誰でもわかりやすい表現にすることを心掛け、できるだけ専門用語は避けましょう。やむをえず使う場合には必ず注釈をつけます。
「なぜこの作業が必要なのか」といった背景も添えると、新人がより理解しやすくなります。

マニュアルができたら、現場担当者にレビューを依頼し、実際の運用を想定してフィードバックしてもらい、修正して完成です。ただし、マニュアルは完成後も、業務内容の変更や新しい課題に対応するために、定期的な見直しと更新が欠かせません。

マニュアル作成について、詳しくはこちらをご確認ください。
【上司必見】わかりやすい業務マニュアル作成のコツと作成手順

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業種別!新人用OJTマニュアルの基本項目

OJTマニュアルは、業種や職種によって盛り込むべき内容が異なります。ここでは、下記の代表的な5つの業務について、マニュアルに含めるべき基本項目を解説します。

<業種>

  • 事務職のOJTマニュアル
  • 接客・販売職のOJTマニュアル
  • コールセンター職のOJTマニュアル
  • 製造・工場職のOJTマニュアル
  • 建築・設備管理職のOJTマニュアル
  • 看護師・介護職のOJTマニュアル

事務職のOJTマニュアル

事務職は情報を正確に取り扱う必要があるため、OJTマニュアルには業務の基本的な考え方やルールを明確に記載しましょう。業務の流れや判断基準を事前に共有すれば、新人の戸惑いを減らすことができます。

■事務職のOJTマニュアルに含める基本項目

カテゴリー 内容
基本概念・情報の仕組み 情報システムの構造、帳票類の種類、情報の受け渡し方法など、事務の土台となる知識を整理。用語集も併せて用意する
業務処理の手順 帳票の起票、システム入力、確認、提出、承認、書類の回付・保存など、日々の業務フローを具体的に記載する
判断基準・参照資料 商品や取引内容に応じた処理の判断基準、ルール、商品リストや問い合わせ先一覧などを整備する

接客・販売職のOJTマニュアル

接客や販売職のOJTマニュアルには、お客様対応の不安解消やモチベーション向上につながる接客の全体像や状況別の対応手順を記載します。状況別に具体的な対応手順をわかりやすく可視化しましょう。

■接客・販売職のOJTマニュアルに含める基本項目

カテゴリー 内容
接客の流れ あいさつ、ニーズ確認、案内、会計までの一連の対応を記載。業態別に例を用意するとわかりやすい
声かけ・ニーズ確認のポイント 試着の促し方、声のかけ方、確認すべき質問など、具体的なタイミングや注意点を記載する
クレーム対応の流れ よくあるケースを想定した対応パターンを提示。フローチャートを使って判断の手順を可視化するとよい

コールセンター職のOJTマニュアル

顧客対応の品質を均一に保つことが求められるコールセンターでは、言葉遣いや対応の手順を明確に定めたOJTマニュアルを作りましょう。トークスクリプト(台本)やシステムの使い方を記載すると、スキルの均一化が図れます。

■コールセンター職のOJTマニュアルに含める基本項目

カテゴリー 内容
トークスクリプトや対応システムの操作 想定シーンごとにフローチャート化したトークスクリプトや、CRMなどのシステム操作の手順などを記載する
商品・サービスの基礎知識 会社概要やサービス内容、商品の特徴など、基本情報を網羅的にまとめる
敬語・マナー 顔の見えないやりとりにおいて重要な言葉遣い、声のトーン、対応の流れを明文化する

製造・工場職のOJTマニュアル

製造・工場の現場では安全性と作業の正確さが求められるため、OJTマニュアルには具体的な作業工程をきちんと記載します。さらに、ベテランの「勘」や「コツ」といった現場のノウハウを可視化して、新人がスムーズに作業に取り組めるようにしましょう。

■製造・工場職のOJTマニュアルに含める基本項目

カテゴリー 内容
作業手順書・ノウハウ 基本的な作業手順に加えて、微細な作業や専門的な操作は図・イラスト・動画などを活用して視覚的に伝える
安全対策・緊急時対応 危険作業の対処方法、安全装置の使い方、ヒューマンエラーの基礎知識、緊急時の対応フローなどを具体的に記載する
現場全体の作業工程 多能工化を見据え、新人が担当する作業だけでなく、ほかの工程の作業内容や流れも共有する

ノウハウの蓄積について、詳しくはこちらをご確認ください。
失敗しないノウハウ蓄積の方法は?ナレッジとの違いも解説

土木・建築作業員のOJTマニュアル

土木・建築は、現場の違いや指導者の裁量によって教育内容にばらつきが出やすくなるため、OJTマニュアルには作業手順や安全管理を具体的に記載する必要があります。専門知識や技術の取得に加え、ヒヤリハット事例を入れるといいでしょう。

■土木・建築作業員のOJTマニュアルに含める基本項目

カテゴリー 内容
作業の手順と必要な技術 現場で共通する基本作業や、必要な技術の目安を記載する。基礎知識のほかに専門用語も解説する
安全管理や緊急時の対応 建設現場特有の危険作業や高所作業などに関する詳細な安全ルール、安全装置の使用方法、および事故や急変時等の緊急時における初期対応手順
ヒヤリハット事例 高所の作業や重機・工具の取扱などで事故やケガにつながりそうだった事例などを記載する

土木・建築業界での現場管理について、詳しくはこちらをご確認ください。
【現場管理の課題解決】土木・建築業界での業務管理と人材育成の効率化

看護師・介護職のOJTマニュアル

利用者の安全と質の高いケアを実現するために、看護師・介護職向けのOJTマニュアルには、正確な作業手順と適切なコミュニケーションの方法を記載することが重要です。利用者への配慮はもちろん、スタッフ間での情報共有を円滑に行うための内容、就業の理念も欠かせません。

■看護師・介護職のOJTマニュアルに含める基本項目

カテゴリー 内容
施設の概要と基本的な作業の流れ 施設の運営体制、看護・介助の基本手順、必要な知識や技術を整理する
安全管理・緊急対応 転倒予防、感染対策、服薬・誤嚥対応など、利用者の安全を守るための必須事項を記載する
利用者のケア・コミュニケーション技術 ケアや介助の方法、声かけ・傾聴・非言語表現を含む患者への関わり方のほか、家族対応、スタッフ間での報連相の方法などを記載する

OJTマニュアルをつくるなら「best job」がおすすめ

OJTマニュアルは新人教育に不可欠ですが、その作成と運用には手間がかかります。特に、紙のマニュアルは更新や共有が難しく、現場での利便性が低いという課題もあるでしょう。

マルチタスク管理システム「best job」なら、「Dルール(デジタルルール)」機能を使って、簡単にデジタルのOJTマニュアルを作成・共有できます。動画や画像も添付できるため、スマートフォンやタブレットからいつでも閲覧でき、学習効果を最大限に高めることが可能です。

■「best job」の主な機能

best jobの主な機能
  • Dルール(デジタルルール)機能:プロジェクトごとに教育内容や作業フローをマニュアル化。生成AIテンプレートで簡単作成
  • ToDo・タスク管理機能:Dルールをもとに業務に必要なタスクやToDoを自動生成し、進捗の可視化と伝達漏れを防止
  • 日報管理機能:ToDo機能にある完了ボタンを押すだけで自動的に日報に反映されるため、報告作業の負担を軽減しつつ、その日の成果も一目で把握
  • 勤怠管理機能:出勤・作業状況をリアルタイムに把握。出退勤だけでなく、「実作業の内容」や「かかった時間(実労働時間)」を正確に把握でき、スピーディーな労働実態の管理が可能
  • プロジェクト・顧客管理機能:複数現場の進行を一元管理
  • いつでもエピソード:日々の出来事や気づきをメモ・共有でき、いじめやハラスメント対策などに有効

Dルール(デジタルルール)」は生成AIを用いて簡単に作成できる(特許出願中)ため、マニュアル作成の負担を大幅に軽減します。業務に必要なタスクを自動で洗い出したり、スケジュール作成を効率化したりすることも可能です。
また、業務中に気になったことをすぐに記録できる「はっとメモ」機能を活用すれば、新入社員からの質問や相談を促し、指導者がタイムリーにフォローできるため、トラブルの予防にもつながります。

■はっとメモ機能

「best job」の「はっとメモ」機能

OJTの質を高め、教える側と教わる側双方の負担を軽減するために、「best job」の導入をぜひご検討ください。

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よくあるご質問

OJTマニュアルとは?

OJTマニュアルとは、新入社員の教育を円滑かつ効果的に進めるために、業務の目的や全体像、職場のルール、指導の進め方などを体系的にまとめた資料です。マニュアルには「新人向け」と「指導者向け」の2種類があり、それぞれの立場に必要な情報を提供します。

OJTマニュアルを作る流れは?

OJTマニュアルを作る流れは、「1 マニュアル作成の目的の明確化」「2 スケジュールの作成」「3 現場での情報収集と業務内容の洗い出し」「4 伝えたい情報の整理と構成案の作成」「5 マニュアルの作成と現場担当者のフィードバック」です。

OJTマニュアル作成のメリットは?

OJTマニュアルを作る主なメリットは「新人が業務の全体像を把握しやすくなり、不安を軽減できる」「指導の属人化を防ぎ、組織全体の指導力を底上げできる」「教育内容の抜け漏れやミスを削減できる」「組織のノウハウを蓄積・共有でき、企業成長の土台を築ける」などがあります。

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